squarepusher使用ベースについてのあれこれ

久しぶりに書く気になったので投稿。

とはいいつつも、あまり乗り気になれない投稿ではある…。

自分だけが持ってるであろう情報とかもあるので。

関係者に怒られたら速攻消します。

 

タイトル通りSquarepusherの使用ベースに焦点を当てて書くのですが、彼自身が機材等を公開しないタイプのアーティストなので野暮かなとは思いつつ。

ただ最近わかったこともあるのでそのあたりも含め書いてみます。

 

 

Squarepusher

なんといってもベーステクニックと打ち込みの卓越ぶりは先端的なワープレコードの中でも独創的です。

 

 

概要はwikiで確認してください。

全アルバムでコンセプトが異なるので全アルバム好きなのですが、「Just A Souvenir」はめちゃくちゃ好きです。

 

大体の機材はこのサイト見れば一発でわかるので、一緒に確認してください。

https://equipboard.com/pros/squarepusher

 

 

初期はフレットレスベースで、ジャコ・パストリアス的なサウンドで縦横無尽にフレーズを伸ばしていくスタイルです。

Fenderジャズベースのフレットレスベースをメインにしていますね。

(2021/6/5追記 1stアルバムFeed~の再発で明らかになりましたが、Fender製ではなくTokai製とのこと。まだまだ不明点は多い…)

96年、97年のLive映像などで確認できます。

 

レコーディングではIbanezロードスターベースを使用していたようです。こっちはフレッテッド。ブルーのロードスターベースはちょこちょこスタジオ訪問の画像で確認できます。90年代の画像だとAphexTwinのロゴステッカー貼ってありますね。

 

この辺は⇩のインタビュー記事で。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/SonyTechno/news/9712/square/bs.html

当初日本での円盤販売はソニー・ミュージックから販売されていましたが、現在はビートインクからの発売ですね。

この移行もあってか、初期盤は廃盤となっているものも多いので、基本的には中古盤を漁るしかないです。

 

97年にMusic Manに手を出しています。この時点では1ハムのStingrayらしい。

https://www.snrec.jp/entry/feature/2009/10/131

 

その後、どのタイミングかは不明ですが、現在でもメインとなっているベースを入手しています。Music ManのSABRE BASSです。2ハム。

1979年~1991年まで製造されたSABRE BASSですが、時期によってヘッドロゴ、ブリッジ、ピックアップカバーなどが変更。ERNIE BALLのフォーラムで仕様変更内容がまとめられていたのでリンクを貼っておきます。

the musicman sabre bass, any history info? | Ernie Ball Forums

 

squarepusher使用のものはおそらく最終期のもの。特徴としてはカバードピックアップとブリッジのサイドに壁がない。

ヘッドロゴもおそらくERNIE BALL入りのものだと思われますが、画素の荒いものしか確認できていないので断定はできず。アクティブサーキットなどが改造されている可能性も否めない。

4弦メインとしては以降SABRE Bassが使用されます。

 

 

中期、2000年台初頭は一度肉体的要素を外しにかかりますが、2003年には再びベースをLiveで使用します。

2003年のローマでのLive映像で確認できますが、Warwickのオリジナル仕様の6弦ベースです。

おそらく、「Ultravisitor」はWarwickで録音されたものではないでしょうか。わからんけど。

 

2005年のロンドン、kokoでのLive映像では2本のベースが使用されています。

1本はメインベースとなったMusic ManのSABRE。

そしてもう一本、6弦のカスタムメイド。これはESSEX州のルシアーであるZoot Bassで製作されたものです。

このベースについてはあまり触れません。日本人で一人このモデルのレプリカをZootへ依頼した人がいて、その時の画像がいくつかある、ということだけ。

 

6弦については、通常のBEADGCチューニングではなく、EADGBEチューニングです。

WarwickはZoot投入以降出ていませんね。

 2006年「Hello Everything」のジャケにZootが写ってるため、この頃からレコーディングにも使用されています。

 

2009年のGuardianMusicでこのZootベースをまじまじと見ることができます。


Squarepusher in session for Guardian Music

 

ドラムの後ろに置いてあるベースについては後ほど。

 

そしてなんといってもこのZootは名演を残しています。

フランスで公演され、円盤化もされた「Solo Electric Bass 1」


Squarepusher - Solo Electric Bass, full concert

 

Squarepusherスタイルを詰め込んだ最高のソロベースだと思います。

 

以降については基本的にSABREとZootが使用されます。

年順にLive映像を見ていくと、Zootがどんどん魔改造されていくのがわかります。

いつの間にかトレモロアームついてたりね。

「Ufabulum」のLiveまではZootの存在が確認できますが、「Damogen Furies」以降には登場していません。魔改造しすぎで壊れたんじゃないかと憶測。

 

「Ultravisitor」以降、エフェクターを独自のプログラム制御によるEventideに集約することでベースのサウンドをベースの範疇を超えて演奏しています。

更に、ROLANDmidiピックアップを搭載することでどんなサウンドでも弾けるようにしています。

 

2015年「Damogen Furies」のLiveでは2本の6弦ベースを投入しています。

一本はIbanezのSR5006、もう一本はMusic ManのBongo6弦。

おそらくZootの代わりとなる6弦ベースを試していたのだと思われます。

Bongoは白のものが使用されていました。

 

2017年Shobaleader One名義で登場した際には、黒のBongoが使用されています。

Ibanezは採用ならず、だったんですかね。


Shobaleader One - Boiler Room In Stereo

このBongoにはRolandのGK-3B、midiピックアップを付けてます。

普段のsquarepusherとは違い、ベースだけに機材を集約しているので、エフェクターを含めそのセッティングがシンプルにまとまり、把握しやすいです。

とはいっても普通のベーシストの5倍位は把握するのが大変だけど。

 

そして最新アルバムBe Up A Helloですが、コロナでLiveができてないので不明です。

インタビューで手の骨を折った、という話もあるのでもしかしたらベース弾かない可能性もある…。

 

 

さてメインベースのおさらい。

 

4弦

Tokai Jazz Bass フレットレス

Ibanez ロードスター

Music Man Sabre

 

6弦

Warwick カスタムメイド

Zoot カスタムメイド

Music Man Bongo6

 

基本的に登場するメインベースとしては上記になります。

 

 

そしてサブベース。

GuardianMusicのドラムの後ろにあるベースとギターです。

 

Rickenbacker 4001。

4001といえば通常のモノラルOUTに加え、Rick O SoundというステレオOUTの3系統として出力できます。このあたりはレコーディングで使用しているようです。

最近のBBCでのインタビューで弾いてる画がありましたね。

 

Westone製のフレットレスが確認できます。

2つのスプリットピックアップでなんかスイッチたくさん付いてますね。

Fenderのフレットレスはスタジオの画像で時々目にします。

使い分けてるのか、欲しいサウンドなのか、Westoneもちょこちょこ出てきます。

 

あとはギターが2本確認できます。

エレキの方は、フォルムからみてZootで製作されたものなのは間違いないですが、テレキャスターブリッジなのに3ピックアップで24フレットの謎ギターですね。

それと、謎ナイロンギター。おそらくこれもカスタムメイドのクラシックギターのようです。

 

 

そしてもう一本、EquipBoardにも載ってないのですが、下記インタビューにチラ写りしてるベースがあります。

https://www.soundonsound.com/people/squarepusher

2枚目の写真、パッチベイの前に立てかけられたジャズベースっぽいベース。これはIndustrial Radio製のmidiベースです。

最近ebayでたまたま売っててこれかぁ!ってなりました。

Rolandmidiピックアップとは異なる仕様のようですが、精度はどうなんでしょうね。

 

 

「Hello Everything」の頃にサイトに使用機材を書いていたらしく、wikiに載っている機材リストはその当時の使用機材ですね。

Bass guitars: Music Man / Rickenbacker 4001 / Custom built 6 strings.
Guitars: Classical and Baritone classical / custom electric guitar.
Software: Reaktor using only home made algorithms.
Electronic Hardware: Eventide "Orville" + "DSP4000" using only homemade algorithms/ Yamaha sequencer / 16 track tape machine / MackieDesk / Sine wave generator / Roland SH101 / Octave "Cat" synth / AKG414 mics / Home made + AKG analogue reverb units / DAT recorder.
Percussion: Ludwig drum kit / Balinese percussion / xylophone.
Other: some wires, mains leads, a room to put it all in, cooperative neighbors, etc. 

割と意地悪な感じで書いてますが、解いていくと

MusicMan → Sabre

Custom buillt 6 strings → Zoot

Classical and Baritone classical → クラシックギターバリトンクラシックギター

custom electric guitar → Zoot

こんな感じでしょうか。

 

 

一応年代ごとに使用していたエフェクターだったり、シンセだったり、スタジオ機材なんかも一応追って把握してはいるのですが、機材変化を把握するとSquarepusherの各アルバムのコンセプトがよくわかります。

そして必ずしもそのコンセプトに自ら従わないこともあるということも。

 

彼のベースで特徴的な右手の動きですが、これはシンプルにサムと、抑えたプルですね。

スラップを応用してフリーハンドでピック弾きのような動きをするこの弾き方ですが、実にUKらしい伝統的な流れの末にできた弾き方だと思います。

割とコツがいる弾き方なのでなかなか真似で成功している人はいないですね。

 

一応僕は右手だけはできるようになったのですが、なにせ左手が無茶苦茶なのでまともに弾けてない。いい加減スケールくらい覚えろって感じですが。色々失格。

 

これでSquarepusherが使用しているベース本体についてはほとんど並べられていると思います。

ただし、彼自身改造魔なので、ほぼすべてのベースに手が加えられていると見ていいでしょう。

その中でも、Zoot 6String Bassはその仕様を完全には公開できませんし、されないでしょう。制約がいくつもあるようです。

数年前に、レプリカを製作した日本人に聞き込みをしたりしました。

親切に、出せる範囲の情報を頂けたので、ある程度のコントロールやピックアップの仕様なども知ってるのですが、流石に表に出せない。

 

ただ、自分がオリジナルのオーダーメイドベースを作るときが来たら、その情報を応用したベースを作ると思います。

まぁ、100万くらい簡単に使えるくらいの貯金ができてからですが…。

一応僕の持ってる機材で、Ibanez SR506を改造して、少しだけZootに近づけたものはあるのですが、なかなか楽しいです。

本格的に近づけるためにトリマー買って木材から変えたいんですがいつのことやら。

 

 

さて、雑多にごそっと書いたのでまとまりのない感じになりましたが、こんなとこで。

そのうちEventideとベースのエフェクトコントロールについても書きたいですね。

プログラムとかに多少知識があればより良いけど、単純に操作のあたりでも。