去年のこと。フォロワーがこんなツイートをしてました。
そりゃ貰いますよええ。
Seymour DuncanのSh-2とSh-5、割とロックギターでは王道の組み合わせですね。
ただ残念なことに私が持ってるギターは荒井貿易の「LEGEND」のストラトのみ。いわゆる初心者セットギターですね。
特にギターを弾く気もなかったので、音作りして遊ぶ程度だったのですが、せっかくピックアップを貰ったのでこれを載せるギターを買おうと色々巡ってみました。
今回はそんな話。
ハムバッカー2発を載せるにあたってどういうギターを買うかなぁととりあえず条件を考えてみました。
ダブルカッタウェイのギター:Gibson SGとかLP Specialとか/YAMAHA RSとか
トレモロアームなし、チューンオーマチックタイプがいいかな?、22フレット~24フレット、ネックスケールはミディアムかレギュラー、材はメイプルかアッシュ、指板は特にこだわりなし。
配線とかは自分でやるので、追加でtapスイッチは付ける。付けるにあたって加工しやすいキャビティのギターだといいなぁ。セミアコやフルアコだと大変なのでなし。
こんな感じのを考えて、まずはヤフーオークションとかいう楽器屋さんに行ってみました。TOKAIのレスポールでいい感じのがあったのですが6万くらいで80年代ビンテージ。加工するには貴重だしちょっと気がひけるなぁとパス。
次にデジマート、サウンドハウスと行ってみて、Squierのシンラインを改造しようかなと思ってたもののいまいち踏み切れず。
そんなこんなでフォロワーから「ハードオフ行ってくる。良いのあったら画像送る」と言われ、心待ちにしていたら何種類か送ってもらい、気になるギターが。
それがAriaProⅡの「CS-350」、SGコピーモデルながらtapスイッチが純正で付いてるビザール的ギター。
NIRVANAのカート・コバーンが初期に使用し、ぶっ壊したことでも知られてるモデルらしく、定価35000円が現在でも中古相場2万後半~3万のなかなかなギター。
これいいなぁと思い、ビザールギター系を攻めよう!と思い立ち私もハードオフ巡りへ。
1店目はあまりピンとくるものもなく、ちょっとレアCD見つけてそそくさと退散。あまり期待できないなぁと2店目に行ったところ、ありました。
CS-350こっちにもあった!しかも紹介されたものよりも若干安い!
しかし前日、こんな動画を見てました。
渡辺香津美「いわゆるMYギター」#003 Alembic篇Part1
【MPNトークセッション】渡辺香津美×松武秀樹(ギター抱えた渡り鳥) ♯3様々な出会い②
アリアのRSですね。YMOのツアー用に、僕の所有しているアレンビックを下敷きに作ってもらいました。現在は両方とも手放してありません。RT @nepenthes_love 昔のYMOツアーで使っていたariaのRG?とかの映像を観ました。最近はPEとかの出番もないのですか?
— 渡辺香津美 (@watanabekazumi) June 9, 2010
Alembicのギター、やっぱすげぇなぁ~と思ってたら、まさかそのコピーを渡辺香津美氏全面協力でAriaProⅡで作っててそのシリーズが「RS」シリーズ。
そして先程の画像。CS-350の横にAlembicに似たギターがありますがこれは「TS-400」、なんでしょうこのめちゃくちゃ気になるフォルムは。
速攻店内で検索します。
デジマートの連載記事ですが、
「1979年、アリアプロ2はついに時代の最先端に躍り出る才色兼備の2つのモデルを発表する。それが、“RS(Rev Sound)”と“TS(Tri Sound)”である。」
「発売はRSが先行したにもかかわらず、TSが市場に卸されるとたちまちそれは爆発的な売れ行きを記録し、その勢いは、一時期RSの存在を製造ラインから消し去ってしまうほどであった。~中略~81年から登場する“CS(Cardinal Series)”」とあります。
RSシリーズはAlembicのコピーモデル、そしてこのTSモデルはB.C.Richのコピーモデルのようです。
70年代のオリジナリティあふれるフュージョン系ギターを模倣したコピーモデルとして世に出された、RSとTS、そこから更に廉価なモデルとして出されたものがCSということがここで繋がります。
そして眼の前に同じ価格でTSとCSがあります。そりゃまぁ買いますよね。
MNGしてしまった pic.twitter.com/e9bhKPe0Wz
— あかね (@smoke_akane) 2021年1月7日
改めて、AriaProⅡ「TS-400」
コントロールが独特です。一見全体的に綺麗ですが、わかりにくいところにちょこちょこ打痕があります。
セットネックで弦は裏通しです。キャビティカバーが年代を感じさせる色ですね。自作しようかな。
TS-400はTSシリーズの中でも下位機種で、シリーズは「400・500・600・800」と4種展開されていたようです。
TS400~600はAriaオリジナルのEXTRAⅢピックアップ、800はディマジオのDual Sound(現行のSuper Distortion?)だそうです。
レビューブログなどを見ているとリアピックアップは良いものの、フロントピックアップは微妙だそうです。多分同じピックアップで出力、抵抗値が高いのではないかと予想。実際鳴らしてみたところフロントなのに硬めの音でフロントらしい丸い音ではないなぁという感想です。
ストラトシェイプのヘッドがいいですね。チューニングが楽。サイズ的にはラージヘッド寄りなのかな…?
角度付きヘッドなのでテンションバー等を用意する必要もなくて楽。
ボリュートがないのでネック折れが心配です。ペグは正直精度いいかというと微妙ですね。小一時間じゃんじゃか鳴らしてたら半音下がりました。原因弦かもしれないけど。
TS-500・600・800は電池駆動のブースターを搭載しているアクティブ仕様ですが、TS-400はパッシブ仕様。改造前提なのでこれは逆に好都合です。
コントロールは、上からボリューム・PUセレクター・フロントPUトーン・リアPUトーン。
ミニスイッチ3個は上から、フロントPU Tap・リアPU Tap・フェイズリバース。
かなり整った配線じゃないでしょうか。PU交換地味にめんどくさ()
TSシリーズはRS・CSよりも早く80年代中頃には終売したとのことなので、市場に出ていた期間は6年前後でしょうか。
その中でも初期・中期・後期でスペックが色々と変動しているようです。材すらカタログスペック通りでないこともあるようです。この個体がどの時期なのか調べるだけでも楽しい。
やろうと思ってたTap配線が標準実装であるだけでも改造難易度は下がりますね。他の部分も少しづつ手を加えて行こうと思います。
標準で弾いてみて感じたのは、まずToneが強い。0.047μFのコンデンサがついていますが、Tap時には良いものの、ハム状態だと強く効くためぼやけすぎます。0.033μFか0.024μFのコンデンサに変更しようかなと思います。
純正ノブがやけに野暮ったい感じででかいので、これは速攻ジャズベ用にストックしてたノブに交換しました。ボリューム落とす時にPUセレクターに触れちゃうから…。
スイッチパチパチしてるだけで楽しいですね。色んな音出せてトーンでいじってるだけで面白いです。
フェイズリバースも面白い。すぐ出せるエフェクターがディストーションだけだったのでちょっと歪みすぎでしたが、ちゃんとオーバードライブで音作りしたらいい音になりそう。
フロントPUの出力の強さはほんの少しだけTone絞ればなんとか…という感じ。まぁ交換するのでこれはこれで。
結局材ははっきりとはわかりませんが、基本的にはメイプルネック・ローズウッド指板、ラミネートボディ(?/メイプル/?)という構成。ウォルナット?シカモア?そのへんがわからない。
当時のカタログも見つけました。定価4万だったらしい。
楽器カタログの世界 - アリアプロ2 ギターカタログ Vol.11 (1979)
楽器カタログの世界 - アリアプロ2 ギターカタログ 1981
楽器カタログの世界 - アリアプロ2 ギターカタログ 1982
ここまで書いておいて81年のカタログ見たらストラトヘッドでなくなったので、私のは初期モデルの可能性が高そうですね。ということは79年前後?
現時点でメジャーバンドでもビザールを使うアーティストが地道に増えてきてたりするのでこういったギター今後注目度あがりそうですね。
改造が一通り終わったら地道に練習しなきゃ…。コードさっぱり知らない。
改造もちょこちょこ写真撮って備忘録書こうと思います。
とはいえ既にノブ交換・ロックピン交換・接点復活剤とコンパウンドがけまでは済ませた。後はピックアップ交換とペグ交換かなぁ…。
めんどくさいけど本格的に魔改造するならオイルフィニッシュ。ついでにシールディングも。